法政大学創立者顕彰碑

所在地:大分県杵築市
主要用途:モニュメント
竣工:1993年4月

 地球の自転に基づく真太陽時では、太陽の南中を正午とし、次の日の南中迄が一日とされ、日中は地球の一日24時間の自転角360度のうち概ね日照の範囲である午前8時から午後4時迄の8時間の自転角120度の間に示す事ができる。
 今回、法政大学の前身でである東京法学社 [明治13年(1880年)設立] の創立者である、郷土 (大分) 出身の伊藤修、金丸満両先生の功績を称え、ここに顕彰碑を築造するにあたり、設計者として私は、現在の大学が概ね創立後100年を経過した大きな節目の時期である事に加え、両先生方が共々当地を離れるに際し、北の方向に向かって限りない程の夢を抱かれた思いが偲ばれることに碑の深い意味を感じ受け、このデザイン化を試みた。
 前述の如く、日中を示す120度は、円軌道上の太陽の影の移行で現す事ができる。そこで、正午の太陽の影の位置を概ね太陽が南中する真北の位置に定めて、方位盤と共に中心に真北を告げる方位塊を設け創立者の意思と夢の現れとした。真北を中心に120度の範囲の床には、白い玉砂利が敷き詰められている。日の出を告げる影の先端には、創立1880年のみが刻まれた台座が在り、開学を告げると共に日没を告げる影の先端には、創立者による功績をたたえ築かれた碑が位置し、この間に落とされる影が本学の概ね100幾年月という歴史を象徴している。また日没後は、今後の大学の行方を見守られる部分として、黒い玉砂利が敷き詰められている。幸い当碑の築造は、由緒ある杵築場内の公園に位置するため、来館者および公園を利用する子供達にとっても、方位盤などが、この碑と親しみを増すのに一役を担うものと思われる。
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